私たち森田農園は、食の安全性を考え、そして、甘くて美味しい西瓜を皆様に提供できるよう心がけ毎日努力しております。
人も西瓜もストレスゼロを・・・
西瓜栽培にかぎらず、農業全般に共通して言えることは、重労働だということです。森田農園では働いてくれる人たちが、どうすればストレス無く仕事をすることができるのかを考え、勤務時間の短縮そして、作業用機械類の導入に取り組んでいます。また、ストレスを受けるのは働いてくれる人たちだけではありません。野菜もストレスを受けるのです。天候に関係なく、毎日、生育中の花や果実の状態を観察し、手を入れないといけないタイミングで手を入れ、触って欲しく無い表情をしているときは、まったく触らない。そうすることによって、西瓜にもストレスを与えないように心がけています。毎年、毎年、同じ季候の年はありません。昨年と同じ事をしていても、美味しく西瓜は育ってくれません。私は、毎年一年生の気持で仕事に取り組んでいます。美味しい西瓜を栽培するためには、働いてくれる人も栽培中の西瓜にもストレスを与えないことが大切だと考えています。
畑に優しさと、いたわりを・・・
西瓜の苗を4月上旬~中旬にかけ定植し、8月中旬には収穫が終了します。私は一年一作・西瓜のみを栽培しているので、畑に作物が栽培されているのは、この4ヶ月間だけとなります。以前は西瓜の収穫後、同じ圃場で大根を栽培していた時もありました。最初の頃は西瓜も大根も品質の良いものが収穫できたのですが、年々、品質が劣化していきました。畑を、土を酷使した為、地力が弱まってしまったのです。それからは、私は西瓜栽培のみに取り組み、栽培期間以外は畑の地力を養うことに時間を費やしています。収穫が終わると片付けを早く終わらせ、初秋には鶏糞や、もみ殻などを圃場全体に散布し、何回も耕し固い赤土を柔らかく混和し善玉微生物が育ちやすいよう春まで何回も何回も耕し続けます。森田農園の畑の土質は赤土で、長所は、栄養分の蓄積に優れ、栽培中の西瓜に栄養供給する能力が高いということです。そして、短所は水捌けが悪いため、病害のリスクが大きいということです。西瓜には沢山の病害があり、代表的な病害は、炭疽病、つる枯病、疫病、菌核病などがあります。それらの病原菌は「カビ」の仲間です。病害が蔓延しないよう定期的に消毒をしていますが、さらに病害を防ぐには、消毒以前に微生物(善玉菌)を土壌に育て、病原菌を退治してもらうことだと考えています。微生物を土壌に育むことで、農薬では劇物に分類されるクロルピクリンなどの土壌消毒剤を使用することなく、土壌障害やセンチュウを安全に、そして農地をいたわって阻止することができているのだと思います。能登の人達の人柄を「能登はやさしや土までも」と表現する言葉がありますが、私はこの言葉の文字通り、やさしい土作り、土地をいたわる気持を大切に西瓜栽培に取り組んでいます。
西瓜の品種と栽培方法・・・
石川県の観光地「金沢」。金沢には様々な国から観光客が訪れます。観光に訪れた方々の食事のデザートには、夏は西瓜を召し上がっていただくことが多いとのことです。そして、よく「日本の西瓜は美味しい」という言葉を耳にします。たしかに日本の各種苗メーカーは研究し試験を繰り返し、新しい西瓜の品種を誕生させています。林檎や梨は店頭で販売される際は品種が表示されています。しかし西瓜は店頭では品種、例えば「春爽赤」、「祭ばやし」などの表示されているのを、ほぼほぼ見た事はありません。最近はナント種苗が糖度を追求し、開発に力を注ぎ込んだ「羅皇」シリーズが表示されているのを見る程度のように感じます。林檎や梨にも品種による特徴があるように、西瓜にも種苗メーカーや品種による特徴があります。私は、糖度、食べたときの食感(シャリ感)、そしてカットした時の赤色の美しさなどのバランスを考えて品種を選択をしています。最近、カット販売されている西瓜には糖度表示されているのを目にすることが多く、そして、決して高いとは言えない糖度の表示も目にすることもあります。品種の選択だけで糖度が上がるわけではなく、食感も加わるわけではありません。あくまでも品種の選択はスタートラインに立っただけで、糖度と食感の追求は、それからの栽培方法だと思っています。私は、一玉数万円で販売される西瓜や、品評会で受賞するような西瓜を栽培するのではなく、西瓜ならではの甘さと食感のバランスの取れたものを、普通の価格で供給できるよう心がけて栽培しています。
森田農園 SDGsへの取り組み・・・
私、農業従事者としてSDGsへの取り組みとして心がけていることは【15・陸の豊かさも守ろう】です。近年、生態系の変化が問われています。私たち農業従事者の間ではミツバチの減少が問題となています。ミツバチ減少の理由の一つとして「ネオニコチノイド系農薬」の乱用と言われています。しかし「ネオニコチノイド系農薬」すべてがミツバチに影響を与えているわけではありません。「ネオニコチノイド系農薬」で西瓜に使用可能な薬剤は7品目ありますが、そのうち3品目はミツバチに影響のない薬剤となっています。また、西瓜を栽培する上で害虫と分類される昆虫でも、他の野菜や果実を栽培する上では有益昆虫と分類されるものもいます。私たちは同時に数種類の昆虫を駆除してしまう恐れのある「有機リン系農薬」や「合成ピレスロイド系農薬」、「ネオニコチノイド系農薬」の使用を控え、対象害虫をピンポイントに駆除する薬剤を選択し、なおかつ、農薬使用量の削減に心がけています。また、私たちは山間部の農場のため、周囲の木々の手入れを怠りません。そうすることにより、森林自体の風通しも良くなり、森林全体の病害を防ぎ、虫の異常発生を防ぐことも出来ると考えています。
森田農園 所在地
森田農園 森田 善治
農場: 石川県羽咋郡志賀町上棚レ-5
本部: 石川県羽咋市千代町い-98